インバウンドファクトリー

コラム

外国人が入店したくなる!英語メニュー表記、豚骨はTONKOTSUで大丈夫なのか?


こんにちは、インバウンドファクトリー です。
今回は、外国人観光客が入店したくなるお店になるために、外国人リピーターはどんなことに関心があるのか、どのような英語メニュー表記にするとわかりやすいのか、おもてなしガイドの経験をふまえてご紹介します。

外国人リピーターからピンポイントのリクエストには、臨機応変な対応を

先日お会いしたお客様は、以前はバス利用の団体ツアーに参加していたようですが、数年前からはLCCを利用して、毎回3~5泊で頻繁に来日しています。

リピーターさんは、目的地がはっきりしていることも多く、「あの店でこれが食べたい」「あの店のあれが欲しい」というようなピンポイントのリクエストが入ることもしばしば。

滞在中に、友達のオススメの場所に行きたいと希望が出たり、訪問地の追加や変更が入ったりすることもよくあります。臨機応変に対応することが、おもてなしガイドの現場に求められます。

期待値が高いリピーターには、高品質のサービスを提供し続ける



何度も日本に来ているからこそ、過去のサービスと比較の対象になります。飲食店などお店への期待度も高くなってきます。

リピーターさんに満足していただけるような、安全かつ快適、上質のサービスを提供し続けていくことも、外国人観光客おもてなしに関わる私たちにとっての課題です。

外国人リピーターが食べたい季節物のアレ。



何度も来日されているリピーターさんは、この時期にしかお目にかかれないもの、この時期限定の食べ物などもよくご存知です。

例えば、このリピーターさんは、
「年に一度は馴染みのお寿司屋さんでウニとイクラを食べたい!」
「冬にしか味わえないフグを食べたい!」
というのが今回の来日の目的のひとつでした。

東南アジアの黒船さんの、来日目的は日本食と買い物

食と買い物への関心は、日本人が思っているよりもはるかに熱く、もはや国境を越えております。リピーターさんにとっては、日本は「とても心地の良いご近所さん」という認識です。ちょっとそこまで、お目当の食事やアイテムを求めて、気軽に来日していらっしゃいます。

外国人が食べたい「トンカツラーメン」とは?!

来日してまず、「最初に召し上がりたいものは何ですか?」と尋ねたところ、

「トンカツラーメン!」と元気な返事をしたのは初来日のお友達。

困ってしまいました。
私はそのようなものは食べたことがありません。

さて、どう対応しましょうか?

インスタやブログで取り上げられた実在するメニューかもしれないので、対応するために詳しい情報が知りたいところです。トンカツラーメンについてもう少し聞いてみたところ、このような説明がありました。


  • クリーム色した濁っているスープ。
  • 博多で食べて以来、必ず食べている細麺のラーメン。
  • ラーメンの上にはチャーシューがのっている。
  • 揚げた豚肉のカツレツはのっていない。

整理すると、つまり、彼らが食べたいというトンカツラーメンというのは、トンカツでもなく、トンカツがのったラーメンではなく、豚骨ラーメンでした。
(トンカツラーメンを提供しているお店もあります。)

”トンコツ” を ”トンカツ” と混同しているようです。音が似ていますから、勘違いしてしまったのでしょう。

この状態で、もしも目の前に、”TONKATSU” という看板をみたら、待ってましたとばかり、迷わず入店されることでしょう。

例えば、こんなシーンが展開されるのでは?

~~~ここは、とあるトンカツ専門店~~~

東南アジアからの観光客が、TONKATSUの看板を見つけて、喜んで入店してきました。彼らは、この店でお目当の豚骨ラーメンが無いことに戸惑っているようです。トンカツ=豚骨と勘違いしているのですが、この時点では、勘違いに誰も気がついていません。

この後、どんな事態が起こり得るか考えてみましょう。

1.どうしてラーメンがメニューに無いのかと英語で詰め寄る外国人。
2.ラーメンが無いことを、スムーズに説明できないスタッフ。
3.よくわからないけれど、機嫌を損ねて帰っていく外国人。
4.よくわからないまま、お水と使用済みのおしぼりを片付けるスタッフ。

どうでしょうか?

勘違いや認識違いによるトラブルは、いつでも、どこでも起こり得ます。外国人観光客が増えているので、飲食店でこのような事例の報告が急増しています。

では、どうすれば、このような事態を事前に防ぐことができるでしょうか?

勘違いによるトラブルを事前に回避するにはメニュー写真が有効



勘違いや認識違いによる外国人とのトラブル、できれば避けたいですよね。
できれば、英語を話さずに、トラブル回避したいですよね。
ならば、一番カンタンな方法は、メニューの写真を出しておくことです。

店前に食品サンプルなどのディスプレイがあれば、外国人のお客様にも理解していただけるはずです。さらに写真があれば、目で見てわかりやすいので、言葉の壁も心配しなくて大丈夫です。英語アレルギーさんには特におすすめです。

では、豚骨ラーメンを説明する場合を考えてみましょうか。

ラーメンの写真とTONKOTSU RAMENの表記で完璧ですか?

豚骨ラーメンが豚由来のスープであると理解しているお客様には、こちらの対応で十分なのでしょう。

ただし、ムスリムのお客様を対応するには、これでは不十分な場合もあります。スープが白濁していると、クリームシチューのように、牛乳が使われているクリーム系のスープと理解してしまう方も結構いらっしゃいます。

豚骨が原料に使われていることを知らない外国人とのトラブルの事例も、最近よく聞こえてきます。東南アジアからのお客様が増えているので、ムスリム対応も数年前から必要性が上がってきています。

豚骨スープはPORK BASED SOUP や PORK BONE STOCKと説明する

豚骨ラーメンはPORK BASED SOUPやPORK BONE STOCKであることを、英語翻訳をひと言書き添えると、豚由来の食材を摂取されないムスリムのお客様などにも、とても親切な表現と言えます。

豚骨ラーメンならば、
「TONKOTSU RAMEN - PORK BONE STOCK」 こちらでいかがでしょうか。

メニューは全部英語に訳した方がいいのか?


それでは、メニュー全てを英語に訳す必要がありますか? とよく相談を受けることがあります。

お店のメニューが膨大で、例えば50~100以上だったり、かなりの選択肢があったりしたら、全部英語に訳すのは、時間と労力がもったいない気がします。

あなたのお店が、メニューが多いことを売りにしている場合は、ぜひ全部英訳してください。

メニューが多いことが来店された理由なのかもしれませんし、選択肢から選ぶということが重要なコンテンツとなります。

外国人が思わず入店したくなるメニューをセレクトする

一般的には、外国人に喜ばれるメニューのみを選んで英訳することをおすすめしております。外国人に好まれるメニューとはどういうものであるかが重要なポイントになってきます。

合わせて、表現方法にも工夫が必要です。看板とPOPでは書き方のコツが違ってきますので、これはまた別の機会に紹介したいと思います。

英語に訳さなくても通じるカタカナメニュー

一方、「トンカツ」の場合はどうでしょうか。この言葉は英語に訳さなくても、そのまま通じることが多いように思えます。

寿司やラーメンと同じように、日本食を知っている方であれば、欧米の方もアジアの方にも「トンカツ」で通じる場合がほとんどかと思われます。

カタカナで通じるメニューは他にもあります。

スシ、テンプラはもちろんのこと、カツドン、ヤキトリ、テリヤキ、テッパンヤキ、などはそのままで通じることが多いです。

ただし、外国人が過去に見たり聞いたりして記憶している名前が間違っていることもよくありますので、要注意ですね。

もし英語で説明するなら、「ポークカツレツ」が一番カンタンな表現でしょう。より丁寧に説明するならば、ポークカツレツ pork cutlet の他にも、breaded pork cutlet や deep-fried pork cutlet というように様々に英語表記できます。

外国人にも日本人にもわかりやすい、カンタンな英語表現にすること



音しやすく、聞きやすい表現にしておくことは、外国人のお客様のみならず、接客にあたる現場スタッフさんにも優しい方法なので、とても喜ばれます。

スムーズにコミュニケーションできる手助けになりますので、英語アレルギーの方にも、ストレスが軽減されて、働きやすい現場になりますよね。

具体的なメニューの表記の仕方や表現方法については、また改めてお話できればと思います。
インバウンドファクトリーはこれからもずっと、現場でがんばっているあなたを応援していきます!

現場からインバウンドを盛り上げることが大事なことを、仲間の私たちが一番感じています。

これからも一緒に頑張っていきましょう!

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