外国人と同行していると、訪れた場所について素直な反応を見たり、感想を聞いたりすることが多い私たちです。日本人にとっては当たり前でも、外国人にはナゾだったり不思議だったりすることは、外国人から教えてもらって初めて気が付くこともあります。

現場を経験してきた通訳案内士ならば、おそらく何度も現場で聞いてきたであろう外国人の生の声はこれ。

日本では現金が無いと何も買えない! という、嘆きなのか、半ば愚痴にも聞こえるご意見です。

支払い方法が現金のみというお店が多いことに、外国人は驚きを隠せないようです。あらゆる分野で最先端の技術を競っているであろう日本で、どうしてキャッシュレスにならないのか? と不思議に思われているようです。

最近では、日本での現金以外の決済のバリエーションも増えてきましたが、来日されるお客様の母国と比べると、圧倒的にキャッシュレス決済の割合は低いようです。

実際の現場の話として、昨年の秋に、現金を1円も持って来ていない中国人観光客がいました。日本ではクレジットカードもスマートフォンも使えない、現金払いのみのお店もまだまだたくさん有り、その中国人は結局その夜、ラーメン1杯さえも買えなかったそうです。

また、ある中国人観光客は、「中国ではお金の支払いは全部これだよ。」とスマートフォンを指さして言いました。これはもう2年くらい前のことです。

今回は、中国語圏でのキャッシュレス事情、特にデジタル貨幣についてのお話です。

デジタル貨幣とは?

中国の国内での買い物には、もはやスマートフォンが欠かせません。モバイル決済もいろいろとありますが、「アリペイ」や「ウィチャットペイ」がよく使われているようです。スマホさえあれば、送金や振込も手軽にできる時代になりました。

そんな中、最近「デジタル貨幣」が話題になっています。デジタル貨幣とはデジタル通貨とも表現されていて、いわゆる中国の通貨である人民元の電子版のことです。

価格変動が激しいビットコインなどの仮想貨幣ではありません。国の法定貨幣で、現金と同じ効力があり価格が比較的安定していると紹介されることもあります。

デジタル貨幣は2014年から研究開発が始まり、2017年に国務院(中国の中央政府の呼称、日本の内閣に相当)が中央銀行と商業銀行が共同研究することを承認しました。デジタル貨幣は現金に取って代わるのでしょうか?


デジタル貨幣の英語表記は?

デジタル貨幣は英語でdigital currency、略してDC, または digital currency/electronic paymentDC/EPと表記されていることも。他にもいろいろな表現があります。

中国の政府系シンクタンクである、国家金融・発展実験室の研究員によると、電子マネーは銀行口座で決済されますが、デジタル貨幣の場合には、スマホの「デジタル財布」にお金が入っていれば、銀行口座を紐づけしなくても使用できるようになるとのことです。

そして、Wi-Fiなどのネット環境が無くても、スマホの電源を入れて、払う側と受け取る側のスマホをお互いに軽く触れ合わせれば、お金のやり取りができるというものです。「電子マネースリ」や「スキミング」といった犯罪に対しても、新しい技術を使っているので安全とも言われているようです。電子マネーに慣れている中国人は、それほど抵抗なく使えるのではないでしょうか。

どうしてデジタル貨幣なのか?

紙幣や貨幣を作るのはそれなりのコストがかかります。紙代、印刷代、金属の材料代、加工代、さらにそのお金の輸送代、現金の管理にもお金がかかります。その点、デジタルはそれらのコストがかかりません。また、デジタル化されることで、通貨の履歴が残ることになり、税金の手続きが容易になるのではとの期待が持たれています。

先行してすでに深圳、成都、蘇州など5か所で実証試験が始まっています。例えば、蘇州市の相城区(上海蟹で有名な陽澄湖がある所)では、5月から区や企業において一部の従業員に支給する給料の通勤手当の50%をデジタル貨幣で支給すると、メディアで報道されました。


将来的には、現金紙幣や貨幣はどうなってしまうのか?

「デジタル貨幣の機能と属性は紙のお金と全く同じで、その形態がデジタル化しただけです。中国の国土は広く、経済発展のレベルも様々で、各地でそれぞれの習慣も異なるので、短期的にはデジタル貨幣を全面的に普及させることはありません。デジタル貨幣が完全に現金に取って代わることはないのです」と国や銀行の幹部は言っています。

この 「完全に取って代わることはない」 というところがポイントでしょう。”現金は少しは残しておくけどね、大部分はデジタル貨幣になるかもね” という意図が汲み取れます。

お支払いはアリペイ?ウィチャットペイ? いえ、私はデジタル貨幣で。

将来、このようなシーンが日本でも現実になるかもしれません。中国人観光客はアリペイやウィチャットペイを使うので、日本でも会計端末に、これらの決済アプリを導入し始めていますね。それに加えて、次は中国の人民元のデジタル貨幣もプラスされる日が来るのでしょう。

デジタル貨幣については、私たちが得意としている分野、インバウンドの現場での外国人の使用状況などについて、また新しい動きなどについてもレポートしたいと思っています。

少し時間はかかりそうですが、またいつか来たる日のために、現場にも外国人にもやさしい、インバウンド対応のメソッド「おもてなし術」をおすすめしたいです。

外国人接客のポイントをおさえるだけで、外国人対応のストレスが軽減されて、とてもラクに接客できるようになる方法を、ぜひお試しください。

引き続きオフラインの研修も対応していますので、お気軽にご相談くださいね。中国語圏での最新情報などもその都度ご紹介したいと思っています。

今のうちにできる対策をして、来たるべき時に備えておきましょう。


インバウンドファクトリー 中国語圏マーケットスペシャリスト
中国語講師
由良知子


こんにちは、インバウンドファクトリーです。
外国人相手に仕事をしている私たちは、ふだんから、担当する言語や海外各国の最新情報を入手するように心がけております。

日本を訪れる外国人の生活や関心を知ることは、ガイディングや通訳業務において、基礎体力をつけるために不可欠な作業であり、お客様とのコミュニケーションがスムーズになる手助けにもなります。

中国語圏を担当している私も、日頃から中国語で書かれた記事に目を通していますので、これからは現地の最新情報なども紹介しながら、中国語を話すお客様の接客や集客のヒントとなるような内容をお届けしていきたいと思います。

さて、中国では、新型コロナウイルスの感染拡大防止として対策されていた、一部の都市封鎖が解除されました。
国内で営業を再開した観光地やテーマパークもあり、観光客を受け入れるさまざまなサービス、ホテルや旅行会社も再び稼働を始めました。

旅行業界は、V字回復することを切実に期待しています。その一方で、他の地域への移動がまだ厳しく制限されている現状もあります。


封鎖解除と「清明節」

中国では四月の初めに「清明節」という、いわゆる墓参りの連休がありました。観光市場に賑わいを取り戻そうと、各地で様々な取り組みが行われました。

一例を紹介すると、安徽省の黄山市では、4月1日から14日の二週間にわたり、安徽省の市民を対象とした「長江と淮河流域の大地を回ろう」というキャンペーンを行いました。その内容とは、安徽省の市民であれば、黄山市が指定したA級の観光地の入場券が無料になるというもの。

このキャンペーンが始まった5日目、つまり4月5日は、中国でも有数の景勝地である黄山風景区に人が押し寄せる結果に。
メディアでは、おびただしい数の観光客が集まり、押し合いへし合いの大混雑の様子が取り上げられていました。

ずっと「ひきこもり」状態にあったので、外に出られることになれば、、、

やっと外に出ることができる!
新鮮な空気を吸いに行こう!
清明節の休暇だ!
今年はあの有名な黄山がタダで見られる!

というような心理だったのでしょうね。ニュースの映像を見ると、マスクをしていない人も結構いたように見えました。専門家は訪問客の健康と安全を守るため、各観光地では乗客の流れをコントロールするなど、対策を講じるように呼び掛けていました。


「旅游緑書」で提言された5項目

先日、4月21日に中国社会科学院財経戦略研究院と観光研究センターなどが「旅游緑書2019~2020年中国観光の発展分析と予測」をオンラインで公表しました。以下にその記載を紹介します。尚、旅游とは旅行の意味する単語、緑書とは英語ではホワイトペーパーを意味します。中国語の緑書がホワイトペーパーとは、興味深いですね。

現在中国の旅行業界においても、コロナウイルスの影響を受けて、収入が減り損失が出たというだけでなく、死活問題になっている数多くの中小企業があります。

この数カ月の多大な損失は、市場回復後に観光客が増加しても補い切れないほどの甚大なもの。このため、観光業者は安全を確保した上で、以下のような対策について提言がなされています。

①    社内で主力メンバーを集め、これからどうなっていくか状況を研究し判断する

②    系統的に戦略を立て、今までの商品を見直し刷新する

③    観光資源の組み合わせを考える

④    何かに特化した新しい需要にこたえる

⑤    専門性を強化する


いま日本では、全国を挙げて緊急事態宣言に伴う自粛の中にあります。アフターコロナには「巣ごもり状態」だった人々が、待ってましたとばかりに、今までさほど旅に興味がなかった人も、こぞって旅に出ることになるのでしょう。

いずれ、規制が解かれて海外旅行も復活すれば、中国本土や中国語圏からの観光客も、間違いなく帰ってきます。今のうちに手を打つにあたり、「緑書」に書かれていることが参考になるのではないでしょうか。

インバウンドファクトリー講師
中国語圏マーケットスペシャリスト
全国通訳案内士 中国語
由良知子



こんにちは、インバウンドファクトリーです。
みなさんは普段、朝食に何を召し上がりますか? 
そして、旅先のホテルや旅館でのおなじみの朝食。みなさんはどのようなものを思い浮かべますか?


洋食だったら、ビュッフェスタイルで、サラダにベーコン、パン、フレンチフライ。デザートにフルーツやケーキなど。
旅館で出てくる和朝食は、豪華そのもので、私たちにとっては旅の醍醐味。焼き魚とごはんとお味噌汁。さらに、地元の新鮮なお野菜やその土地の名物をふんだんに盛り込んだ副菜の数々。

「あの旅館で食べた、豪華な和朝食が忘れられない」そんな感想も耳に入ってきます。朝食に使われていた佃煮が気に入って、売店で在庫全部お買い上げ!なんて展開になることも。

実は、外国人観光者が期待する朝食と、日本人が考える朝食にはギャップがあること、ご存知でしたか?

インバウンド顧客を取り込みたい訪問先から、アンケートを頼まれることも多い外国人です。回答には書けないことも、隣でぼそっとつぶやかれます。飲食店や宿泊先には「グッジョブ!」良かったと言いつつも、隣でぶつぶつネガティブなことをささやいたり。。。

今回は、私たち通訳案内士が現場で外国人観光客から直接耳にすることが多い、日本でがっかりした朝食5選 について、エリアスペシャリストの白石がご紹介したいと思います。

1. 朝からこんなに食べられない。


一番多い声はこれ。特に和食の朝食を体験した方からの感想が多いです。「日本人って、いつもあんなに朝ごはん食べてるの?」と聞かれることは日常茶飯事。日本人の私たちが日本国内を旅するときは、多くとも数泊程度なので、普段以上の量がある豪華な朝食でも、旅の醍醐味として楽しめますよね。

ただ、訪日外国人の平均滞在日数は、1週間から2週間(JNTO 訪日旅行データハンドブック 2019より)。
確かに、それだけ長期間の日本滞在だと、毎朝の朝食がこの量になると、重く感じられてしまいそうです。

2.    朝ごはんにしょっぱい(savory)ものはつらい!

朝食に、ごはん・納豆・焼き魚・海苔・お漬物・お味噌汁といったメニューに慣れている日本人は、あまり想像がつかないかもしれませんが、アジア以外の国で朝食に塩辛い食事をとる習慣がある国は、実はさほど多くありません。
多くの欧米諸国の方々は、フルーツや、シリアルなど「甘い」朝食に慣れています。日本食が好きな人も、「和食は美味しいけれど、塩味を朝から食べるのは、早すぎるかな」という方が多いこと、ご存知でしたか?(アメリカ人の中には、焼いたベーコンとパンケーキ両方にメープルシロップをかける人も!)


3.    朝から野菜はいらない!

ホテルのビュッフェによくあるサラダ。朝からミネラルもたっぷり摂れて健康的ですよね。ただ、実は外国人の中には、朝にサラダを食べる習慣があまりない方も結構いらっしゃるのです。「野菜はヘルシーだけど、朝からサラダを食べるのはちょっと…」という声もちらほら。

ちなみに、日本のホテルの朝食ビュッフェでおなじみのフレンチフライですが、ヨーロッパの人にとっては、笑ってしまうくらい滑稽なものなのだそうです。彼らによると、「あれは夕食のメニューの付け合わせだからね!」だそうです。


4.    アメリカンブレクファストはこんなんじゃない!


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宿によっては、和食と洋食のどちらかを選べる場合もあるかと思います。うちは洋食があるから安心、と思っているあなた。もしかしたら、知らない間に、お客様はその洋食の中身にがっかりされているかもしれません。

私たちガイドは、外国人のお客さんにとって、言葉が通じるためかとても近しい存在のようです。そんな私たちに漏らす本音のひとつで多いのは、

「アメリカンブレックファーストって言われて出てきたメニューにがっかりだったんだよ」
という言葉。

具体的に何が出てきたか聞いたところ、「コーヒーやトーストは良かったんだけど、なぜかポトフが出てきた」とのこと。

一般的に、アメリカンブレクファストは、火を使った料理が並びます。
・卵料理
・焼いたベーコンやハム
・パンケーキ
・じゃがいも料理
・トースト
・フルーツやヨーグルト
・ジュース
といった品が並びます。

今回は、「火を使って温かいお料理」で「ベーコン」や「じゃがいも」が含まれているところまでは合っていたのですが、求めていたのは焼いたベーコンやハムだったのですね。

外国人がふだん口にしているものを期待していたなら、不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。こういう場合のおもてなしのポイントはずばりこれ。

オリジナルのお食事を提供することを事前にひとこと伝えておく!がっかりを事前に回避、クレームを予防できる効果があります。

例えば、オリジナルの和洋折衷の朝食メニュー、好評を得ることも多いです。それぞれの宿の創意工夫によって良い口コミがもらえることもあり、新規顧客の獲得へつながりやすい傾向がみられます。​

なお、対照的なメニューとしては、コンチネンタルブレクファーストです。
コンチネンタルブレクファストとは、「火を使わない料理」が並ぶシンプルで軽い朝食です。
・コーヒー
・ロールパンなど
・フルーツ
(・チーズなどがあることも)


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コンチネンタルブレクファストは、19世期半ば、イギリスから見たフランスや地中海沿岸のラテンの国の朝食を指して生まれた言葉です。

さらにもう一種類。イングリッシュブレクファストの代表的なメニューとしては、
・卵料理
・ベーコン
・ソーセージ
・トースト
・豆料理
・ローストマッシュルームとローストトマト
・コーヒーや紅茶
といったものが並びます。

実は、イギリスの方からも、
「今朝のイングリッシュブレクファストは、アメリカンブレクファストだった!」
と言われることもありますので、それぞれのメニュー表記にはご注意を。


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5.    サニーサイドアップをください。が通じなかった!

最後に卵料理についてです。
ホテルでは、卵料理を目の前で希望通りに料理してくれるところもありますよね。さて、それぞれの卵料理、英語でどんな風にいうのでしょうか?

以前にアメリカ人のお客様をご案内したときに「朝食にサニーサイドアップが食べられなかった」と悲しがっている方がいらっしゃいました。
サニーサイドアップは、片面焼きの目玉焼きのこと。ただ、料理人の方にその言葉が通じなかったため、作ってもらえなかったそうです。「それでは、どんな卵料理になって出てきたんですか?」と聞いたところ「何も作ってもらえなかった」とのことでした。悲しそうな彼の顔が忘れられません。
せっかくですので、ここで卵料理の名前を覚えてしまいましょう。

・スクランブルエッグ             scrambled (egg)
・オムレツ                omelet
・茹で卵                boiled (egg)
・ポーチドエッグ            porched (egg)
・片面焼きの目玉焼き             sunny side up
・両面焼きの目玉焼き(中身は半熟とろとろ)over easy
・両面焼きの目玉焼き(しっかり焼き)    turn over

それでは、外国人観光客は一体どんなものを求めているのでしょうか?
それは、
「朝は、コーヒーとフルーツでOK。あればヨーグルトやシリアルくらい。」
というものです。どれくらいご希望か、前日にお客様に聞いてみるのもよいかもしれませんね。

朝はさほど食べずにスタートしたいと話すのは欧米の方々に多い印象です。アジアの国々では朝食をしっかり食べる国も結構あるので、そのような国の方は、日本の朝食にも違和感がない方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん、日本の朝食に馴染んでくださるのは嬉しいことですが、欧米の方々向けの選択肢も用意すると、より宿に対する満足度が上がるかもしれません。ちなみに、イギリスのお客様でも最近はコーヒー派が増えてきているとはいえ、ミルクティーのチョイスもあることを伝えると、期待を超える反応をしてくださる方もいらっしゃいますよ!

以上、私たちが実際に耳にした、外国人観光客の朝食に関する本音をご紹介いたしました。もちろん、各家庭・地域によって違いはありますが、今日ご紹介したのはよく聞くご意見です。宿業を営むみなさんの事業の参考になれば幸いです。

インバウンドファクトリーエリアスペシャリスト
全国通訳案内士 英語
英語講師
白石実果



コロナ影響下のタイの現状

新型コロナウイルスによる一大イベントの延期など旅行業界をとりまく環境は厳しさを増しておりますが、このような時にも美しい桜の花を見ると、我々にエールを送ってくれているような気になります。今できることを少しづつでも前に進めて行くために、インバウンドファクトリーにお手伝いできることがあれば、お気軽にお声かけくださいね。

さて、弊社インバウンドファクトリーには様々な言語や地域のスペシャリストが存在しております。本日はタイマーケット担当の高柳がタイの現状について紹介させていただきます。

訪日するタイ人旅行者の数は、2013年のビザ免除措置を機に年々増加を続けており、2018年には100万人を突破、昨年は131万人に達しました。LCCの就航や、低価格のツアーの造成により、かつては遠い国だった日本が、誰もが手の届く旅行先となりました。

また、世界各国を行き尽くしているような富裕層にとって、飛行時間が約6~7時間という手軽さもさることながら、同じアジア圏という気安さも手伝って、家族旅行などで日本を繰り返し訪れるリピーターが増えています。

その一方、日本が旅行先として身近な存在になるにつれて、「誰もが行ったことのない場所」を求めるタイ人が増え、行先がどんどんマニアックになっています。最近でいうと、秋田の乳頭温泉や福島と新潟を結ぶ只見線沿線エリアなどもタイ人に知られるようになってきました。

今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって、2月頃からツアーキャンセルが相次いでおります。例年であれば桜のシーズン、それに続くタイの旧正月(ソンクラーン)の長期休暇で賑わっている訪日タイ人ですが、現在はゼロの状態です。タイ国内でも感染が広がり、現在、非常事態宣言の発令により多くの国民が自宅で過ごすことを余儀なくされ、旅行どころではない雰囲気に包まれています。

まさに旅行業界全体が先の見えない長いトンネルに入ってしまいました。しかし、この事態が収束し、再び旅行の機運が高まったときにタイ人はまた日本に戻ってきてくれるものと思います。ありがたいことに、私の知り合いのタイ人も「旅行できるようになったら、真っ先に日本に行く!」という声を寄せてくれる人も多いのです。

その言葉を信じて、タイ人が戻ってきたときに「やっぱり日本はいいよね。」と言ってもらえるようにするために、何ができるかを考えることが大事だと思っています。

日本の「空気」が旅の動機になる。

そもそも、タイ人は日本に何を求めてやってくるか。そのひとつが日本の「空気」です。

ことさらに何かアピールすることなくても、もうすでにそこここにある爽やかな空気。それがタイ人が日本に旅行したいと思わせる動機のひとつです。もちろん猛暑の日本はタイよりも暑いと感じる日もありますが、それも一時的なもの。逆の立場で考えてみると分かります。

タイに限らず、東南アジアが好きな人ならおそらく共通して持っている感覚。空港に到着したときの、あの熱気を帯びたモアっとした空気!その瞬間に旅心が盛り上がるように。

1年を通してその熱気に包まれているタイ人にとっては、日本に到着したときに触れられるひんやりとした空気に気分が盛り上がる。それは空港のゲートでタイ人のお客様をお出迎えしたときの様子で見て取れます。旅行の醍醐味はそこでしか味わえないものを味わうこと。食べ物ももちろんですが、空気もそのひとつ だといえます。

訪日タイ人の特徴はズバリ、この5つ。

私が初めて通訳ガイドの仕事を受けたのは2014年、タイの旅行雑誌の編集長をお連れした瀬戸内を巡るツアーでした。そのタイ人編集長が私に残してくれた訪日タイ人の特徴を示すキーワードがあります。ガイドとして経験を重ねる度に実感していることでもあります。それらをぜひ紹介したいと思います。

「大きなスーツケース」 
タイ人の訪日は1週間以内の短期滞在にもかかわらず、大きなスーツケースを持ってくる人が多いです。来日したときには空っぽでも、買い物大好きなタイの皆さんは、すぐにいっぱいになります。「旅行中に体重が増えるのは気にしなくていいけど、スーツケースの重量には気を付けて!」はガイドの常套句。ホテルではスーツケースの重量が図れるように重量計を置いておくと喜ばれます。

「写真を撮る」 
写真を撮るために旅行に来ていると言っても過言ではないくらい、写真好きなタイ人。しかも自分が写っていることが大切。必ずしも観光地だけでなく、何気ない郵便ポストの前とか、ガードレールに腰かけているところとか。日本人から見たら「えっ、ここで写真撮るの?」と思えるような場所でタイ人は写真を撮ります。

私たちもタイに行ったら、タイ人からしたら驚くような場所で写真を撮っているもの。そこは気持ちを理解してあげたいものです。タイ人はポーズを決めるのが本当に上手で、その様子を見ていると、恥ずかしがり屋の日本人はもっと見習った方がいいのではないかと思うことすらあります。

「ガイドはポイントを伝える」 
欧米人のツアーのようにイヤホンガイドをつけて観光地でガイドの話を聞きながら見て回るというタイプのツアーはタイ人にはあまり見られません。というのも多くのタイ人が拘束されることを好まないためです。ガイドをする際にはその場所のポイントだけを伝えて、あとは自由に散策したり、写真を撮る時間を多めにとり、集合時間と場所だけをはっきり伝える。タイ人のツアーではこのパターンが圧倒的に多いです。


2019年の訪日タイ人一人当たり旅行支出額は約13万円で第5位。(観光庁訪日外国人消費動向調査2019年間値)

「ショッピング」 
訪日するタイ人がショッピングに使う金額は平均約40,000円。タイの新卒の月給が15,000バーツ(約45,000円)と言われているので、かなりの金額です。買っているのは主にお土産にバラまける大袋に入ったお菓子、ローションやクリームなどの化粧品、アディダスなどのスポーツブランドの靴。意外なところで日傘を買っていく方も多いです。

ドラッグストアや24時間営業のドンキホーテ、アウトレットやイオンモールも定番の立ち寄り場所。タイのバンコクは大都会で、日本のものはほとんど何でも手に入る。それでも日本に来たらたくさん買い物をする。それはもちろん値段の差もありますが、日本で買う物は品質がいいという意識を多くの人が持っていたり、また日本のものを日本で買うこと自体に意味を感じているように思います。

「花」 
なんといってもタイ人が好きなのは桜ですが、他にも紫のラベンダーや藤の花、水色のネモフィラなど、タイには無い淡い色合いの花と一緒に写真が撮れるスポットが年齢や性別を問わず人気です。タイは蘭をはじめ、色鮮やかな花が咲き乱れる国ではありますが、日本に来た際にはタイでは見られない花の風景を求め、そしてそれを背景に写真を撮る。これも、タイ人の大好きなことのひとつです。

これら5つの特徴、いかがでしたでしょうか?
タイ人に向けて商売を考えているあなたに少しでもお役に立てたならば幸いです。

今は我慢の時、日本もタイも含めて全世界が厳しい時期を過ごしていますが、この長いトンネルを抜けた先にまたタイ人旅行者が日本を明るく照らしてくれるものと信じています。

タイ人対応のためのセミナーやおもてなし接客研修もお気軽にインバウンドファクトリーにご相談ください。
お問い合わせはこちらからどうぞhttps://inboundfactory.jp/contact/

インバウンドファクトリー講師
タイマーケットスペシャリスト
全国通訳案内士 タイ語
高柳久美子



「新型肺炎の影響で先が見えない」とは言え、必ず戻ってくる訪日外国人観光客

新型コロナウイルスの影響が拡大するに伴い、各国から渡航延期や中止などの厳しい勧告が発令されています。インバウンド市場の今後を心配されている方々の不安の声も上がってきています。いつまで続くのか先が見えない状況にありますが、いつか必ず訪れる明るい光を待ちながら、今できる対策を少しづつでも前に進めていきたいものです。

このような状況においても、実際に来日している外国人もいます。先週はロシアからの団体客と京都の龍安寺で出くわしました。さらに先日、特急電車の車中で60代ぐらいのオーストラリア人夫婦と出会いました。せっかくなのでお話を伺ってみました。

ご主人はお仕事で何度か来日経験があり、今回は奥様を連れて旅行中。聞けば、オーストラリアにいても日本にいても感染するリスクはあるので二人での旅行を楽しみたいと、出発前に延期することは考えなかったとのこと。そして、来日してから快適に過ごせている理由があるからだと。

「日本は衛生面でとても信頼している。臨時閉館している施設があること以外は特に問題も無い。」

九州から中国地方、さらに関西から北陸へ、どこも混んでいないのでそれなりに楽しんでいらっしゃるご様子でした。外国人の最新の声を紹介させていただきました。(注:オーストラリアから渡航禁止の発令が出される前の出来事です。)

こちらのご夫婦はローカルガイドを一切雇わずにインターネットの情報だけを頼りに旅行しているとのことで、山のように質問を受けました。WEBや紙媒体ではなく、生の情報に飢えているようでした。(やはり、日本人とマスクのことを質問されました。)
とても興味深い質問や発言をされておりましたので、また機会があればご紹介したいと思います。

諸外国からの観光客は減少傾向にありますが、例えば、近隣各国の中国語圏のお客様についてはどうでしょうか?

中国からの団体旅行が制限されて以降、本土からは特に激減しております。私自身が担当している中国語の語学講座は延期となりました。また、企業での出張研修も一部延期となりました。主に中国人観光客を対象に商売されている方はかなり打撃を受けていたり、今後の不安と焦りを感じていらっしゃることでしょう。早い終息を願うばかりです。

とは言え、中国語を話すお客様も引き続き来日しています。先週末に訪れた天橋立の旅館によると、今回の騒動で稼働率とインバウンド比率は下がっているものの、台湾からの個人のお客様が数組滞在していました。

中国の感染対策についての現状
3月13日0時から24時の一日で、中国国内で新たに感染が確認されたのは18人でした。ひと月前は約2000人だったのに比べるとかなり減っています。また同日、治癒したのは1433人で、治癒率は81.03%に達しました。

メディアでも紹介されているように、3月11日に習近平国家主席が武漢を訪問して「収束ムード」が中国全土に広がっています。中国のネットのニュースでも中国の主要都市のホテルは稼働率が6割になり、広東などの大都市では75%を超え、深圳の飲食店では普段の客数の4分の1から3分の1まで回復していると伝えています。

武漢以外の湖北省の各地域でも、生産再開や外出OKの準備をするようにとの告知がありました。さらに中国人民銀行は3月16日から「預金準備率」を下げると発表しました。これは企業の資金繰りを支援する狙いがあるとされています。

完全に終息するにはまだある程度の時間がかかるとしても、このように明るい材料が出てきたことも知っておかなくてはなりません。

中国の一般庶民は今・・・
データを基に、分析し判断し、そして行動するのはもちろんのことです。でも目で見える実情はどうなのか?一般庶民はどんな状況なのか?中国にいる知り合いからメールが来ました。「中国人全て毎日どこにも行かず家でニュースを見ている」とのこと。文脈から「いらだち」がうかがえました。

騒動が落ち着いたら、中国人が始めたいことは何でしょう?
この数か月間、外出がままならなかった中国人は、この騒動が落ち着いたら、何を始めるでしょうか?
ずっと籠の中の鳥だったわけですから、自由に羽ばたきたいですよね。すなわち我先にと旅行に出かけるのではないでしょうか。その行先は? やはり近くて行きやすい国…日本が候補に上がってきます。

訪日外国人の過半数は中国語圏
昨年一年間に日本を訪れた外国人観光客は3118万人。中国本土からはおよそ950万人、台湾と香港を含めると1677万人を超え、訪日外国人の過半数が中国語を話すお客様だったことが数字から明らかになります。

一人当たり買物額は中国人が突出して高い(観光庁訪日外国人消費動向調査)

それだけ多く来ている中国人観光客が買い物に使ったお金はいくらかというと、昨年は総額で9,366億円、一人あたり約10万9千円を買い物に使っているのです。かつての「爆買い」ほどではありませんが、これは依然として言わずと知れた大きなマーケット! 大都市で大型店舗で団体がお買い物というトレンドから、ありとあらゆる地域で店舗の規模を問わず、家族や個人で買い物という傾向に移りつつあります。

外国人を受け入れたくないお店にも、外国人はやって来る。
今回の騒動が落ち着いた暁には、中国本土からのお客様も必ずや日本に戻ってきたいと思っているはずです。
正直言って、できれば外国人をあまり受け入れたくないと思っているあなたのお店にも、彼らは興味を示して、たくさんの買い物をしたいと思っているかもしれませんよ。ならば、コツをつかんで、なるべくストレスを感じることなく、ラクして外国人相手に商売してみませんか?

中国語をなるべく話さないでラクに接客して、いっぱい買物してもらう!


来日する外国人のうち、中国語を話す外国人が過半数を占めている現実です。今のうちにできることのひとつは、中国人対応の方法を学んでおくことです。中国、台湾、香港だけではなく世界中に中国語を話す人たちがいて、日本に来ては買物や観光を楽しんでいます。

英語も中国語も話せないのに、そんなことが本当にできるのか?
と心の中で思っているあなたには、ひとつだけお伝えします。言葉だけが問題ではありませんよ。中国語はひと言も話さないのに、中国人スタッフがいないのに、中国人がいっぱい買物している場所が日本全国にいっぱいありますよね。そのあたりにヒントが隠されているはずです。

中国人相手の商売なら独自のおもてなしメソッドでコツをつかむ!
①ぺらぺらと外国語を話すことなしに、ラクをする。
②誰も知らないコツをつかんでトラブル回避、外国人接客のストレスをスッキリ軽減する。
③ご近所が知らないうちに、着実に集客売上アップをこっそり目指していく。


中国人相手に商売するコツに加えて、中国人観光客を受け入れる場合に気をつけておくこと、トラブル回避のために注意することなど、20年以上中国人相手に通訳・接客・アテンドしてきた外国人接客のプロがわかりやすくとっておきの技をお伝えします。

今も訪れている中国人にラクして接客して、売り上げアップにつながる未来があるなら、一度チャレンジしてみませんか? お手軽な出張セミナーから複数回の研修まで、ご予算に合わせてご提案させていただきます。お問い合わせはこちらからどうぞ→ https://inboundfactory.jp/contact/

インバウンドファクトリーは現場で頑張っている皆さんをこれからも応援していきます。
今は我慢の時ですが、冷静に、着実に、できる対策を講じて将来に備えていきましょう。

インバウンドファクトリー講師
中国語圏マーケットスペシャリスト
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由良知子


中国人対応の専門家がやさしく講習します