インバウンドファクトリー

コラム

現役ガイドが語る、タイ人観光客の5つの特徴とは?


コロナ影響下のタイの現状

新型コロナウイルスによる一大イベントの延期など旅行業界をとりまく環境は厳しさを増しておりますが、このような時にも美しい桜の花を見ると、我々にエールを送ってくれているような気になります。今できることを少しづつでも前に進めて行くために、インバウンドファクトリーにお手伝いできることがあれば、お気軽にお声かけくださいね。

さて、弊社インバウンドファクトリーには様々な言語や地域のスペシャリストが存在しております。本日はタイマーケット担当の高柳がタイの現状について紹介させていただきます。

訪日するタイ人旅行者の数は、2013年のビザ免除措置を機に年々増加を続けており、2018年には100万人を突破、昨年は131万人に達しました。LCCの就航や、低価格のツアーの造成により、かつては遠い国だった日本が、誰もが手の届く旅行先となりました。

また、世界各国を行き尽くしているような富裕層にとって、飛行時間が約6~7時間という手軽さもさることながら、同じアジア圏という気安さも手伝って、家族旅行などで日本を繰り返し訪れるリピーターが増えています。

その一方、日本が旅行先として身近な存在になるにつれて、「誰もが行ったことのない場所」を求めるタイ人が増え、行先がどんどんマニアックになっています。最近でいうと、秋田の乳頭温泉や福島と新潟を結ぶ只見線沿線エリアなどもタイ人に知られるようになってきました。

今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって、2月頃からツアーキャンセルが相次いでおります。例年であれば桜のシーズン、それに続くタイの旧正月(ソンクラーン)の長期休暇で賑わっている訪日タイ人ですが、現在はゼロの状態です。タイ国内でも感染が広がり、現在、非常事態宣言の発令により多くの国民が自宅で過ごすことを余儀なくされ、旅行どころではない雰囲気に包まれています。

まさに旅行業界全体が先の見えない長いトンネルに入ってしまいました。しかし、この事態が収束し、再び旅行の機運が高まったときにタイ人はまた日本に戻ってきてくれるものと思います。ありがたいことに、私の知り合いのタイ人も「旅行できるようになったら、真っ先に日本に行く!」という声を寄せてくれる人も多いのです。

その言葉を信じて、タイ人が戻ってきたときに「やっぱり日本はいいよね。」と言ってもらえるようにするために、何ができるかを考えることが大事だと思っています。

日本の「空気」が旅の動機になる。

そもそも、タイ人は日本に何を求めてやってくるか。そのひとつが日本の「空気」です。

ことさらに何かアピールすることなくても、もうすでにそこここにある爽やかな空気。それがタイ人が日本に旅行したいと思わせる動機のひとつです。もちろん猛暑の日本はタイよりも暑いと感じる日もありますが、それも一時的なもの。逆の立場で考えてみると分かります。

タイに限らず、東南アジアが好きな人ならおそらく共通して持っている感覚。空港に到着したときの、あの熱気を帯びたモアっとした空気!その瞬間に旅心が盛り上がるように。

1年を通してその熱気に包まれているタイ人にとっては、日本に到着したときに触れられるひんやりとした空気に気分が盛り上がる。それは空港のゲートでタイ人のお客様をお出迎えしたときの様子で見て取れます。旅行の醍醐味はそこでしか味わえないものを味わうこと。食べ物ももちろんですが、空気もそのひとつ だといえます。

訪日タイ人の特徴はズバリ、この5つ。

私が初めて通訳ガイドの仕事を受けたのは2014年、タイの旅行雑誌の編集長をお連れした瀬戸内を巡るツアーでした。そのタイ人編集長が私に残してくれた訪日タイ人の特徴を示すキーワードがあります。ガイドとして経験を重ねる度に実感していることでもあります。それらをぜひ紹介したいと思います。

大きなスーツケース

タイ人の訪日は1週間以内の短期滞在にもかかわらず、大きなスーツケースを持ってくる人が多いです。来日したときには空っぽでも、買い物大好きなタイの皆さんは、すぐにいっぱいになります。「旅行中に体重が増えるのは気にしなくていいけど、スーツケースの重量には気を付けて!」はガイドの常套句。ホテルではスーツケースの重量が図れるように重量計を置いておくと喜ばれます。

写真を撮る

写真を撮るために旅行に来ていると言っても過言ではないくらい、写真好きなタイ人。しかも自分が写っていることが大切。必ずしも観光地だけでなく、何気ない郵便ポストの前とか、ガードレールに腰かけているところとか。日本人から見たら「えっ、ここで写真撮るの?」と思えるような場所でタイ人は写真を撮ります。

私たちもタイに行ったら、タイ人からしたら驚くような場所で写真を撮っているもの。そこは気持ちを理解してあげたいものです。タイ人はポーズを決めるのが本当に上手で、その様子を見ていると、恥ずかしがり屋の日本人はもっと見習った方がいいのではないかと思うことすらあります。

ガイドはポイントを伝える

欧米人のツアーのようにイヤホンガイドをつけて観光地でガイドの話を聞きながら見て回るというタイプのツアーはタイ人にはあまり見られません。というのも多くのタイ人が拘束されることを好まないためです。ガイドをする際にはその場所のポイントだけを伝えて、あとは自由に散策したり、写真を撮る時間を多めにとり、集合時間と場所だけをはっきり伝える。タイ人のツアーではこのパターンが圧倒的に多いです。


2019年の訪日タイ人一人当たり旅行支出額は約13万円で第5位。(観光庁訪日外国人消費動向調査2019年間値)


ショッピング

訪日するタイ人がショッピングに使う金額は平均約40,000円。タイの新卒の月給が15,000バーツ(約45,000円)と言われているので、かなりの金額です。買っているのは主にお土産にバラまける大袋に入ったお菓子、ローションやクリームなどの化粧品、アディダスなどのスポーツブランドの靴。意外なところで日傘を買っていく方も多いです。

ドラッグストアや24時間営業のドンキホーテ、アウトレットやイオンモールも定番の立ち寄り場所。タイのバンコクは大都会で、日本のものはほとんど何でも手に入る。それでも日本に来たらたくさん買い物をする。それはもちろん値段の差もありますが、日本で買う物は品質がいいという意識を多くの人が持っていたり、また日本のものを日本で買うこと自体に意味を感じているように思います。

なんといってもタイ人が好きなのは桜ですが、他にも紫のラベンダーや藤の花、水色のネモフィラなど、タイには無い淡い色合いの花と一緒に写真が撮れるスポットが年齢や性別を問わず人気です。タイは蘭をはじめ、色鮮やかな花が咲き乱れる国ではありますが、日本に来た際にはタイでは見られない花の風景を求め、そしてそれを背景に写真を撮る。これも、タイ人の大好きなことのひとつです。

これら5つの特徴、いかがでしたでしょうか?
タイ人に向けて商売を考えているあなたに少しでもお役に立てたならば幸いです。

今は我慢の時、日本もタイも含めて全世界が厳しい時期を過ごしていますが、この長いトンネルを抜けた先にまたタイ人旅行者が日本を明るく照らしてくれるものと信じています。

タイ人対応のためのセミナーやおもてなし接客研修もお気軽にインバウンドファクトリーにご相談ください。

インバウンドファクトリー講師
タイマーケットスペシャリスト
全国通訳案内士 タイ語
高柳久美子


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