コラム
外国人観光客に不慣れで接客ができないお土産屋さんの話
朝晩の冷え込みが厳しさを増してまいりました。年末の足音も聞こえてきます。
先週は名古屋でガイドプランニングセミナーに登壇してまいりました、冨山です。
名古屋は観光地としての知名度は東京や京都に比べるとまだまだですが、現場で日々頑張っている皆様からパワーを注入していただきました。
ついでに、円頓寺ナゴノヤさんで小倉トーストも注入してきました。
さて、今回はお土産屋さんのお話を紹介したいと思います。
ここは観光客で賑わっている、世界的に有名な観光地。
周辺には五重塔や観音など、少し歩けばお寺、角を曲がればまたお寺。国籍問わず世界中から観光客がカメラ片手に楽しんでいらっしゃいます。
そんな有名観光地で、駅前の表参道に店を構えること40年。
日本人の参拝客がひっきりなしに駅から降り立ちます。
参拝後のお客様は帰路はゆっくり時間をかけてお店をくまなくチェックしているかのよう。
日本人相手に商売をしてきた店主の対応も手慣れたもので、お店のおすすめ商品を紹介しています。
外国人がやってきたら固まってしまう店主
50代ぐらいのアジア系らしき外国人の男女が表参道を歩いています。
お店の前のワゴンに並べられている特売品に興味深々なご様子です。
日本人のお客様ならば、店主はこのタイミングを逃さず積極的に話しかけますが、外国人相手なので動く気配が全くありません。
店主は固まって、外に出ようともしません。
ニホンムズカシイ、ワカラナイコトイッパイ
そうこうしていると、外国人観光客はワゴンの特売品から、和風デザインのプラスチック製エコバッグを手に取ります。
エコバッグは小さく収納できて、5cm四方のポーチに入っています。
外国人は中のデザインが気になる様子で、ポーチを裏から表から眺めています。
和風のデザインであることはわかっているようですが、中身がどのようなデザインなのか???わからない様子です。
外国人観光客に戸惑う日本人店主
店主が嘆いています。
「ガイジンさんは俺がせっかくサンプルを横においてるのに、いつも見向きもしないんだよ。
なんでひとつひとつ綺麗にたたんでいる商品を広げんのか、訳わかんないんだよ。
困っちゃうんだよね、まったく。。。」
外国人観光客の率直な声を聞いてきました
そうなんですよね、その気持ち、私にもよくわかります。
外国人のお客様に同行していて、今回と同じような事例を、数多く見てきました。
外国人が店舗のディスプレイを見てどう思っているのか?
外国人には何が難しくてわかりにくいのか?
外国人観光客の率直な生の声を誰よりも先に聞いているのは、いつも側にいるツアーガイドやエスコートなのです。
店主の思惑は日本人向け
店主は、お客様がいちいち商品を広げなくても済むように、収納ポーチから取り出したエコバッグを広げた状態で、ワゴン脇に置いています。
日本人ならば、これがサンプルであると一目瞭然です。
気に入った商品を手にとってお会計へ、お買い上げありがとうございます!となります。
今のやり方では外国人に理解されません
エコバッグを広げた状態のサンプルが横に展示してあり、カタカナで”サンプル”と書かれた札が横にあります。
はい、日本語が読めるお客様の場合は、この段階で陳列品のサンプルと理解できます。
外国人観光客には、二つの異なる商品として認識されています。
1。ワゴンに展示してある小さいポーチ
2。ワゴン横にぶら下がってある和柄のエコバッグ
この二つの関係性が全くわかりません。
外国人観光客が気がついたポイント
いかがでしょうか?
日本人ならば当たり前に理解できることも、外国人観光客にはわからないことだらけなのです。この話には続きがあります。
店主が意を決して行動に出ました。
ワゴン横でエコバッグを見ていた外国人観光客に対して、
”サンプル”と一言。
ここで初めて、ポーチとエコバッグが同一商品!と気づいたお客様。
外国人カップルはワゴン内のエコバッグをぜ〜んぶ、20個以上買い占めて行きました。
ついでに店内のお菓子や和雑貨もまとめてお買い上げされました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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